これでいいの。

前回の続きです。

これだっ!ていう仕事に出会えないまま地元に逃げ帰るんですが、このままだとただのヘタレですよね。

先に進まないことをグダグダ考えているよりは、まずは一生懸命働こうと思いました。

そこで金属の加工をちゃんと覚えたかったのもあり、機械製造の会社に入社してもりもり働くわけですが、毎日心の奥で

「何か自分にしかできない仕事があるはず。いつか見つけたい。」

なんて思っちゃってるんですよね。

そんなんではまたヘタレ君になってしまうので、雑念のように湧いてくる目の前のことから逃げるような気持ちを治めるように、なんかちょっとムキになって働いてました。

この会社に大きく貢献出来るような人間にならなければ、きっと何をやっても実際のところダメだろう、という基準の元で働いていたので、空気なんて読まず改善した方が良いことはどんどんやっていきました。

初めは変わった奴だと思われていたとおもいますが、次第に評価してく頂くようになって行き、やりがいも出てくるんですよね。

「これでいいんじゃないっ?」

て、それで少しずつ思いはじめるんです。

鍛鉄に出会うまでは。

続く!

そして今日の鉄はコレ。

フライパン作っちゃいました。

厚み1.6mmと2.3mm

でもなんだろう、横道にそれるようで正直後ろめたい気分があります。

ですが、家用に作ったフライパンで食べた料理がとても美味しくて、これは伝えたいなと。

ZESTとして作る以上、ただ使えるものやどこにでもあるようなものは作りたくないので、少しはこだわって制作しました。

大量生産の物は、型にプレスしたり機械で絞って制作されていますが、これは全て手作業で制作しています。

まず炉で焼き鈍し、焼き肌を付けた後、当て金とハンマーで作る冷間絞り技法で叩き締めて制作しています。

主に銅や真鍮の加工に使われる鍛金技法です。

手作業でも、もっと簡単に早く作る方法はありますが、この方法が一番強く、熱の伝わりが良いようです。

実用性なんかを考えれば、柄の接合部を無くして一枚の板から作ったほうがいいと思いますが、それではZESTじゃないなと。

柄は19mmの丸鋼からガッツリ鍛造しているものや、写真にはありませんが少し遊んだものを作ってみました。

ちなみにインターネット販売はいたしません。

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