Jolly Roger

すっかりと暖かくなり新芽が次々と膨らみ
色付き花を咲かせてきましたね。

外を歩けば
沢山のすばらしい命にあふれて
キラキラしています。

 

以前のブログでも書きましたが、
会社を辞め鉄の修行に出たときは
危険な暗い海へ家族を小さな小船に乗せ
漕ぎ出した思いでした。

しかし必ず荒波を乗り越えて行ける技術を手に入れ自分の船を作り、
わくわくするような冒険を
家族と共にする未来を思い描いていたので
辛くとも希望だけはしっかりと持っていました。

小船に乗せて漕ぎだした時2歳だった長男も4年生になり、
鍛鉄工房ZESTも立ち上げからこの春で4年目に入ります。

 

自分と自分の船が
この海を乗り越えて行けるだけの力、準備はあるか?

針は正しい場所を指しているか?

確認や修正が去年までかかってしまい
予定より少し遅くなってしまいましたが、
自分の船を作り広い海に【出航】の場として、
修行に出る前からずっと思い描いていた場所があります。

その時がもうすぐ迫ってきました。

 

ですが出航し海を渡っていくのに
とても大切な物が無いことがずっと気がかりでした。

それは船のメインマストに掲げ、
周囲に意志や力を示すような【海賊旗】。

自分にとってその海賊旗たるものがサンプルの門扉。

やっと作ることができました。

テーマは【繁栄】。

繁栄の象徴である葡萄を
モチーフに取り入れています。

全体的なデザインは奇抜なことやあからさまに派手にはせず、
オーソドックスなスタイルを意識し
鍛冶屋(blacksmith)の技術と
手仕事でしか作ることができない工法や
きれいなラインに拘って制作しました。

ロートアイアンの門扉としては小ぶりですが、
既製品の大量生産のものと比べて
開け閉めの際の格式を感じる重厚感が心地いいです。

 

(自分で言うのもなんですが、、)

実は去年まで、
工房を整えたり目の前のことをこなすことに精一杯だったり、
ついには今まで省みなかった身体がダメになってしまい
弱気になって公開とかをできるだけ控えていたところがありました。

このまま出航しても自分が目指すとんでもない海では戦いつづけられない。

自信もモチベーションも上がってこなく
悔しい思いをギリギリと食いしばって歯が2箇所欠けました。
(今は寝るときマウスピースつけてます。)

 

ですがこれから鍛鉄工房ZESTはこいつを掲げ、
ごまかしや小手先では渡れないとんでもない
【本物達】がいる海に帆を向け漕ぎ出すつもりです。

無謀と言われようと過酷な航海の先は本当の喜び(JOY)、
すばらしい出会いと人生があると思ってわくわくもしているんです。

よく言われたんです。

修行時代も独立後も。

 

「家、金持ちじゃないだろう?」
はい。超母子家庭です。

「美大行ってないんだろう?」
はい。
絵とかは教科書にバイクとギターの
絵しか書いたこと無いす。

「頭悪いだろう?」
はい。
あれは死ななきゃ直らないって
よく言うやつですよね。

「人より優れたもの何か持ってる?ないだろう?
勘違いから早く目を覚ましたほうがいいよ」

心配してくださっての数々の親切なご忠告
本当にありがとうございました。

 

世界レベルの技術と感性で作られる鉄工芸は
説明不要の圧倒的存在感を放ち
暮しに豊かさと本物の格式をあたえます。

自分もそんなモノをつくりたい。

 

道は果てしなく小さな海賊旗でも
完成した時はここまで来れたことの
全てに感謝の想いが溢れました。

 

脱サラだって本気で好きでやれば結構できるってことも、
子供たちに本気で生きて高みに挑戦する姿も見せてやりたいんです。

ものづくりは本当に素晴らしい!

 

 

 

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